学校長から of 兵庫県立山の学校




平成29年3月10日
修了生へのメッセージ
 
 自分で決めて選んだことを、ただひたすら、ただ一心に、脇目もふらずに取り組むことが出来きた期間。それがどれほど貴重なものであるか、疾風のまっただ中にいるときは気がつかない。まさに、山の学校で過ごした時間が、かけがえのない人生の宝となるはずです。
 友だちとの寮生活、豊かな自然の中での活動、スタッフとの出会い、なにより、「木の偉さ」を体感して、レジリエンス(困難な状況にも関わらず、しなやかに適応して生き抜く力)が、君たちの中に育ち初めていることでしょう。
 最後に、「谷川俊太郎・川崎洋編訳『木はえらい イギリス子ども詩集』(岩波少年文庫)」より、「木はえらい」の詩を贈ります。
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 山の学校で見つけたそれぞれの宝物を持って、これからの人生をしなやかに送ってください。



平成28年12月17日
木はえらい

 最近、二十年ほど前に出版された谷川俊太郎・川崎洋編訳『木はえらい イギリス子ども詩集』(岩波少年文庫)を手にした。
 そのなかの詩を紹介する。

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 現代の教育において、「木のえらさ」があまりにも忘れられているのではないか。多忙に休まることのない現代人は、ときに木のえらさに想いを寄せることが必要だろう。
 木がたくさんの人に暖かさを与えていると同様に、生徒の皆さんも暖かさをまわりのみんなに分けている。例えば、植林や間伐で森林を守ったり、大切に育てたスギをベンチに、ケヤキを花台に変え、みんなに暖かさを与える物にしている。
 修了の日まで3ヶ月、五十波の里での共同生活と体験活動を通して、「木のえらさ」を体感し、どんなことがあっても木のように受け入れて、人としてもっと暖かくなって欲しい。


平成28年7月30日
ときに厳しく、また、ときに優しい

 ときに厳しく、また、ときに優しい自然は、人間としての基本を教える「生きた教科書」といえます。
 その豊かな自然のキャンパスで体験活動を積み重ねながら、たくましく生き抜く力を培っていく、全国的にもユニークな「県立山の学校」が、24期生を迎え入れました。
 みなさんが入学して、早いもので1学期を終え、夏休みを迎える時期になりました。入学当初の気持ちは、今も持ち続けているでしょうか。入学式の式辞で「希望を持つには、①明日はもっといい日にしたいおもい ②そのために具体的に何をするか決め ③その実現の為に情報を集め考え ④それを行動にする 4つの要素が必要です。1つでも欠けると希望は持ちづらく、希望は一人では実現できません。人付き合いを大切にし、周りの人のアドバイスを聞き入れて、「明日はもっといい日にしたい」と思い行動してください。」と述べました。
 入学当初の新鮮な気持ちで、寝食を共にする寮生活を送り、豊かな自然での多彩なプログラムを体験できていますか。環境整備や森林実習、チェンソー等の資格取得、宍粟市内での職場体験、千種川沿い縦走、海辺の体験、陶芸やオカリナ演奏など、積み重ねた体験活動がみなさんの人格形成の糧になっています。
 修了の日を迎えるまでの8ヶ月、人間としての基本を教える「生きた教科書」で、ときに厳しく、また、ときに優しいスタッフに鍛えられ、学校の枠を超えた学びをしていきましょう。


平成28年4月1日
新年度を迎えるにあたって

 兵庫県立山の学校は、平成5年に「しそう森林王国」の宍粟市山崎町五十波(いかば)に設立され、県内在住の15~20 歳までの男子が学ぶ、修学期間1年、全寮制の教育施設です。
 豊かな自然の中で、様々な体験学習や共同生活を通して、たくましく生きる力を培い、自信と夢と勇気をもって未来を拓く、こころ豊かな青少年を育成することを目的としています。
 開校以来24年を迎え、その間、多くの若者が「元気・やる気・自信・笑顔」を手に入れ、それぞれの未来に向かって力強く羽ばたき、現在も各方面で活躍してくれています。
 これまで様々な環境で育ってきた一人ひとりの子どもたちが、これからの長い人生において自分自身が納得できる人生を築くための「ヒント」がいっぱい詰まっています。スタッフや友達との繋がりのなかで、家族との絆や感謝の気持ちを感じとるとともに、ひたむきな努力、困難に立ち向かう勇気を自らの手でつかみ取り、苦難に直面した時でも正面から立ち向かい乗り越えるための原動力が培え、自分自身の希望が見つけられる学校です。
 また、高校の卒業資格を希望する生徒に対しては、県立の通信制高校(県立網干高等学校通信制課程・県立青雲高等学校)や広域通信制・単位制高校との連携により、本校での教育活動を高校卒業資格単位として認定するなどの「高校卒業資格取得」支援システムを活用し、幅広い進路指導にも取り組んでいます。
 さあ、チャレンジ精神をよみがえらせ、自分の人生を切り拓いてください。まずは、一歩を踏み出してみてください。

兵庫県立山の学校
校長  臼井 研二